表面処理について

【酸化処理(Oxide Treatment)】

1. この処理を施すことにより、工具表面に四三酸化鉄の多孔質被膜が生成されます。この多孔質被膜はオイルポケットとして作用し、摩擦抵抗の減少、溶着防止に効果を発揮します。更にこの処理により残留応力の除去も行われますので工具寿命を延ばすことになります。

2. この処理は、特にステンレス鋼や低炭素鋼等のように溶着しやすい被削材に効果があり、鋼系の フォーミングタップの被削材においても摩擦抵抗を軽減する効果が得られます。

しかし、非鉄金属には効果がありません。

 

【硬質クロムメッキ(Hard chromium plating)】

1. この被膜硬さは、ハイス材(HSS/HSSE)の硬さ約HV850(HRC65)に比べHV800~HV1000と硬く、摩擦係数も非常に小さいという特徴があり、耐摩耗性、耐溶着性、切削トルク低減に効果があります。

2. この処理の被膜厚さは約5μmですが、他の表面処理に比べ被膜が均一につかないので精度等径ハンドタップの に注意が必要です。

3. この処理は、特に銅やアルミなどの非鉄金属の被削材に効果があります。

 

【コーティングについて】 当社では、物理蒸着法(PVD)によるコーティングを採用しており、いずれのコーティングも、ハイス材 切削工具の硬さに比べ非常に硬く、耐摩耗性、耐溶着性、摩擦抵抗の低減に効果があります。

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